仕事や資格試験の勉強をしようと、机に座ったはいいものの、気持ちが乗らなくて、なかなか手に付かない。
そこで集中しようと、スマホ内のプレイリストやSpotifyでBGMを探すものの、あれも違う、これもなんか違う。あっ、好きなアーティストの新曲出てる! Wikipediaでちょっと調べちゃおうかな…とかやっているうちに、気付けば時間が経っていた…

かつての自分はこんな具合で、「集中力アップBGM」を探すのに一苦労していました。
しかしあるサービスを使うようになってから、目に見えてその悩みが減ってきたので、紹介しようと思います。

その名も、Focus@Will
ブラウザアプリはもちろん、スマホアプリもあります。

操作は至って簡単で、下記の画面で、好きなジャンルと、Energy(アップテンポがいいか、スローテンポがいいか)を選択すると、音楽のストリーミング再生が始まります。

また、上記が公式チャンネルですが、中には “Labs” という、少し実験的要素のあるBGMがあります。こちらには、カフェの雑音(しかも2種類)や、ドローンのプロペラ音などが含まれます。

さらには、自分の性格に合ったBGMを選択してくれる、Channel Recommenderという機能もあります。
年齢や性別のほか、「1日に何回、コーヒーやチョコレートを摂取するか?」「ADHDと診断されたことはあるか?」「芸術に関心はあるか?」など、なかなか核心に迫る(?)設問に答えていくと、オススメのチャンネルを選んでくれます。

ではなぜ、彼らのBGMに効果があるのか、という点を解説していきます。
一つには、楽曲のテンポだそうです。脳波(EEG)測定の結果、人間が集中する時に現れる波形とシンクロするテンポの楽曲を、選択してストリーミングしているようです。
しかし、これだけだと、わりとありそうな話です。

自分が興味を惹かれたのが、下記の図でした。
人間は一定周期で、集中力を阻害する習慣(例えば、スマホをいじってしまうとか)をしたくなる衝動が、現れるようです。
そこで、Focus@Willは、このタイミングに合わせて、集中力が途切れないようにする仕組み(きっと、楽曲を変えるとか)を導入し、この一定周期が「100分(1時間40分)」になるように調整しているようです。この仕組みで、特許も出願中とのこと。

こうした仕組みにより、2万人以上のアクティブユーザから収集したデータを分析した結果、ユーザの集中力継続時間が、非視聴時の2〜4倍長く継続するようになっているそうです。
なお、ユーザはBGMの視聴を終えるたびに、「集中できましたか?」という質問に答えるようになっているので、このデータもそこから収集したものだと思われます。

ひとつ、このサービスの難点を挙げるとすれば、有料だという点です(涙)
月額約10ドルと、Spotifyなどのストリーミングサービスと同じ価格帯ですね。
2週間の無料期間があるので、そこまでして払う価値があるんか?と思われる方は、大きな仕事やテスト直前に試すと良いかもしれませんね。
自分は検討に検討を重ねた結果(?)、従来持っていた「集中力アップ」CDよりも効果を感じ、かれこれ数年間続けています。
特に大事な締切の直前などは、かなり、お世話になっています。

なお、開発に関わっているのは、あのエミネムやRed Hot Chilli Peppers等のアーティストの楽曲制作を行ったJohn Vitale氏や、ノースウエスタン大学の脳科学系の女性研究者、Julia A. Mossbridge 氏など、ユニークなメンバーです。
一般に、集中力アップBGMというと、1/fゆらぎ系やサブリミナル系をはじめ、科学的根拠がありそうなものから怪しいものまで有象無象ですが、Focus@Willの研究成果はarXivでも公開されており、安心感があります。
また実は、自分自身も、この論文に掲載されているユーザ実験の被験者として協力したことがあり (ただ音楽を聴きながら単純作業をするだけの、簡単なものでしたが)、実験プロセスもフェアで透明性があるように感じたので、信頼して使っています。

…と、ややゴリ押し感ある記事になってしまいましたが、決して回し者ではなく、ただのユーザーです。
Focus@Willさん、紹介料くれたりしないかな…。